メキシコシティで行われたF1第20戦。
スタジアムを包む歓声の中、優勝したのはマクラーレンのランド・ノリスだった。
ポールポジションからスタートし、全周をトップで走り切る“完全勝利”。
メキシコでマクラーレンが勝ったのは、あのアイルトン・セナ以来となる。レース後に表彰台に登った三人の公式インタビューでコメントを残した。

1位:ランド・ノリス「最高のレースだった」

スタート直後の1コーナーでは後方で混乱が起きる中、ノリスは完璧な発進。
そのまま危なげなくトップをキープし、ライバルを寄せつけない速さを見せた。

「とにかく自分の走りに集中していた。スタートも良くて、すべてがうまくいった。メキシコで勝てて最高だよ」

この勝利でノリスは今季6勝目。ドライバーズランキングでも再び首位に返り咲いた。
レース後、「セナ以来の勝利」と聞かれると、笑顔でこう答えた。

「どこで勝っても特別だけど、ここは本当に特別。セナの名前の隣に自分の名前が載るなんて光栄だよ。」

マシンの仕上がりも完璧だったようで、「スイートスポットを見つけた」と語るなど、
マクラーレンの勢いが止まらない週末だった。

│2位:シャルル・ルクレール「最後はタイヤが限界だった」

2位に入ったのはフェラーリのシャルル・ルクレール。
2年連続のメキシコ表彰台に満足の様子を見せたが、最後はタイヤとの我慢比べだった。

「最後の数周は本当にギリギリだった。マックスが柔らかいタイヤで迫ってきたけど、セーフティカーが出て助けられた。」

F1ではタイヤの種類(ハード・ミディアム・ソフト)によって持ちが大きく異なる。
ルクレールは中くらいの硬さ“ミディアムタイヤ”で走り続けたが、
終盤はグリップが落ちてスピードを保つのが難しかったという。

「本当に厳しい戦いだったけど、完璧な週末にできた。フェラーリとしても良い流れを続けたい。」

コンストラクターズ(チーム)ランキングでもフェラーリは2位に返り咲き、
残り4戦に向けて上位争いを続ける。

│3位:マックス・フェルスタッペン「難しい週末だった」

3位はレッドブルのマックス・フェルスタッペン。
序盤、ターン1で他のマシンと並びながら芝生に乗り上げそうになる場面もあり、
「最初の数周は本当に慌ただしかった」と振り返る。

「スタートは良かったけど、3、4台が横に並んでいた。コースの外に出そうになって、底を打って芝生に飛び出しかけたんだ。」

今回はミディアムタイヤでスタートしたため、序盤は不利な展開。
しかし後半にソフトタイヤへ交換してからはペースを取り戻し、
「難しい週末だったが3位は良い結果」と語った。

この勝利でノリスはランキング首位に返り咲き、
フェルスタッペンとの差はわずか1ポイント。
シーズンもいよいよ終盤戦に入り、タイトル争いはさらに激化する。

次戦ブラジルGPでも、この2人の直接対決に注目が集まる。