F1ファンなら誰もが知る伝説のサーキット「スパ・フランコルシャン」。標高差のある長いレイアウトと、超高速コーナーが特徴で、毎年ドラマが生まれる場所だ。今回は、初心者でもレース観戦が10倍楽しくなる「スパの名コーナー」を簡単に紹介しよう。

① オールージュ+ラディオン(Eau Rouge – Raidillon)

F1ファンなら誰もが口にする“伝説のコーナー”。左→右→左と切り返しながら、一気に丘を駆け上がるS字の上り坂。オールージュは坂のふもと部分で、ラディオンは右に曲がる部分を指している。

高低差約40mで、マシンはまるで地面に吸い付くように走る。また、高低差によって頂上は見えず、「度胸試しのコーナー」としても知られている。

ポイント:

  • 全開で抜けるかどうかが勝負の分かれ目!

  • 特に1周目の混戦時は接触が起こりやすく、緊張の瞬間。

│② レ・コンブ(Les Combes)

①のラディオンを終えると長いストレートのケメル・ストレートがある。その終わりにあるS字型のシケインがレ・コンブ。高速からのブレーキング勝負になり、オーバーテイクの定番ポイントだ

ポイント:

  • DRS(可変ウイング)で加速したマシンがここで並ぶ!

  • ブレーキのタイミングとイン・アウトの取り合いに注目。

│③ プーオン(Pouhon)

中盤にある高速ダブルレフトコーナー。見た目以上に難しく、ほんの少しラインを外すだけでスピンの危険もある。スパの中でも高いGフォースがかかり、マシンのグリップだけではなく体の負荷もかなりかかる。300km/h前後で走るF1マシンを体感してもらいたい。

ポイント:

  • 一見なめらかでも、コーナーの進入角度ではスピンも。ミスが命取り。

  • ドライバーの集中力とライン取りが問われる。

│④ ブランシモン(Blanchimont)

最終セクションに近い左高速コーナー。今ではF1マシンのダウンフォース性能が高いためほぼ全開で駆け抜けるエリアであるが、オーバーテイクには勇気が必要だ。

ポイント:

  • サイド・バイ・サイドの走行は非常にスリリング。

  • “全開”かつ“接触スレスレ”のバトルが見られるかも。

│⑤ バスストップ・シケイン(Bus Stop Chicane)

最終のシケイン。形状は年々変更されてきましたが、一気に減速して方向を変える難所。ここのアプローチ次第ではケメルストレートまでの区間でオーバーテイクが難しくなる。そのためいかに速度を殺さずに通過できるかが重要になる。

ポイント:

  • 最終ラップの勝負所になることが多く、接触も起きやすい。

  • 最もハードなブレーキングゾーン

スパ・フランコルシャンは、ただ速いだけでは攻略できないテクニカルなコース。紹介した5つのコーナーに注目すれば、レース観戦が一気に面白くなる。