フェラーリ勢にとって厳しい金曜日、ベガノヴィッチは初のF1走行を経験

2025年F1第11戦オーストリアGPの金曜日は、フェラーリにとって思うようなスタートにはならなかった。ルイス・ハミルトンはFP1でギアボックスのトラブルに見舞われて走行時間を失い、チームメイトのシャルル・ルクレールは若手ディーノ・ベガノヴィッチにマシンを譲ってセッションを欠場。限られた走行時間の中で、両者とも課題を抱えた一日となった。

✅ まとめポイント

  • ハミルトンはギアボックストラブルによりFP1で走行できず、FP2も課題の残る結果に

  • ルクレールはFP2のみの走行で5番手も、マシンへの不安と改善点を強調

  • F2ドライバーのベガノヴィッチがフェラーリで初のF1走行を経験し、前向きなコメントを残した

│ハミルトン「ギアボックストラブルでロングランできなかった」

コースアウトするルクレール

午前中のセッションでは、ハミルトンのマシンにギアボックスの不具合が発生。ピット内での修復作業のために多くの走行時間を失い、FP1はわずか1周のみの走行に留まった。FP2では復帰を果たし10番手タイムを記録したものの、満足できる内容ではなかったと語る。

「午前中はギアボックスの問題で走れなかった。スタッフは本当に素晴らしい仕事をしてくれたけど、ロングランのデータを取れなかったのは痛い。FP2では改善できたけど、理想的とは言えないね」

チームは新しいフロアを投入していたが、その効果は限定的だったという。

「マシンの感触自体は悪くない。でも、ペースが足りていない。トップ10の差が接近しているから、わずかな遅れでも順位に響いてしまう。今夜の作業でその差を少しでも縮めたい」

ルクレール「マシンのフィーリングにまだ不安」

FP1はディノ・ベガノヴィッチにマシンを託し、唯一の走行となったFP2では5番手に入ったルクレール。しかし走行後は、まだパフォーマンスに対して確かな手応えは得られていないとコメントした。

「FP1の欠場がFP2に直接影響したとは思わない。でも、マシンのフィーリングにはまだ少し不安がある。正直なところ、今夜やるべきことがたくさんある」

「予選でしっかりと上位に食い込めないと、レースで巻き返すのは難しくなる。今のF1はそれだけ拮抗している。だから予選で最大限の力を引き出すことが鍵になる」

とはいえ、ルクレールはレースペースに関しては前向きな見通しを持っており、決勝での巻き返しに自信をのぞかせた。

これから巻き返したいフェラーリ

フェラーリにとっては、理想からは程遠い金曜日となった。トップに肉薄するには、まだ多くの課題を乗り越える必要がある。しかしルクレールのレースペースには光が差し、ハミルトンもセットアップ改善の手応えを得つつある。予選、そして決勝へ向けて、フェラーリは静かに反撃の準備を整えている。