メキシコシティで行われたF1メキシコGP。
スタジアムの熱気が最高潮に達する中、ファンを驚かせたのはハースの新人、オリー・ベアマンだった。
9番グリッドからスタートし、冷静かつ果敢な走りで次々と上位陣を攻略。
最終的に4位でフィニッシュし、ハース史上最高タイの結果をチームにもたらした。
この活躍により、ベアマンはドライバー・オブ・ザ・デイ(GPの最優秀ドライバー)にも選出。
彼にとって、まさにキャリア最高の一日となった。
│「クレイジーだった」 ― チームと掴んだ最高の結果
レース後、ベアマンは笑顔でこう語った。
「クレイジーだったよ! チームのためにたくさんのポイントを取れて本当にうれしい。
戦略も完璧だったし、マシンのフィーリングも最高。チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれた。」
この4位という結果は、ハースがF1に参戦して以来のチーム史上最高順位タイ。
2018年のオーストリアGPでロマン・グロージャンが記録した4位に並ぶ快挙だ。
しかも今回は雨やリタイアなど“運”ではなく、実力で勝ち取った順位。
若干20歳のルーキーが、名だたるチャンピオンたちと真っ向勝負を演じた。
│「レースペースではトップを維持できた」
ベアマンは自分の走りを振り返りながら、こう語った。
「予選では速さが足りなかったけど、レースペースはとても良かった。
あの位置で戦えたのは実力だと思う。チームのことを本当に誇りに思うよ。」
彼は終盤に向けて安定したラップを重ね、戦略もうまく噛み合った。
さらに注目すべきは、トップ勢と並んで走っても物怖じしなかった点だ。
「マックス(フェルスタッペン)と並んで走れたなんて信じられない。
彼は僕がずっと見てきたヒーローだからね。あの瞬間は本当にクールだった。」
「まだ学ぶことはたくさんあるけど、今日は最高だった。
この感触を忘れずに、次のレースでも挑戦し続けたい。」
若さと落ち着き、そして闘志を兼ね備えたベアマン。
メキシコの太陽の下で輝いたその姿は、F1の新しいヒーローの誕生を予感させる。
