シルバーストーンとハンガリーのFP1でヒュルケンベルグに代走、ライバルチームとの異例の契約が実現
アルピーヌのリザーブドライバーであるポール・アロンが、F1イギリスGPの週末にキック・ザウバーからフリープラクティス1(FP1)に出走することが決定した。今シーズン中に2回のFP1セッションに出場する予定で、もう一戦はハンガリーGP(ブダペスト)でのFP1となる見込みだ。
この異例の決定は、アルピーヌとキック・ザウバーの間での合意によって実現したもの。アロンはニコ・ヒュルケンベルグに代わってキック・ザウバーC45のステアリングを握ることになる。
✅ まとめポイント
アルピーヌのポール・アロンがキック・ザウバーからシルバーストーン&ブダペストのFP1に出走
両チームは選手権で競合中ながら、異例の“ドライバー共有”に合意
アルピーヌ首脳は「貴重な経験」とし、将来のフル参戦に向けた一歩と評価
│チーム間の直接対決中に交差するドライバー育成戦略
今回のアロンの出走は、F1における「新人出走義務(ルーキーテスト)」の一環でもある。各チームは年間2回、1回以上のF1出走経験のないドライバーをFP1に起用する義務があり、キック・ザウバーはガブリエル・ボルトレトの起用によって残る1台分の枠にアロンを割り当てた。
アロンの起用は、単なる育成機会にとどまらない意味合いもある。アルピーヌとキック・ザウバーは現在コンストラクターズランキングで接戦を繰り広げており、アロンが出走するキック・ザウバーはアルピーヌよりも一つ上の順位にいる。こうした状況でドライバーの「貸し出し」が行われるのは極めて異例だ。
│ブリアトーレ「チームと彼にとって重要な一歩」
アルピーヌのエグゼクティブアドバイザー、フラビオ・ブリアトーレは今回の決定について「才能ある若手に最大限の機会を与えることは、我々の利益になる」とコメント。昨年のF2上位陣であるボルトレトやイサック・ハジャールがすでにF1で活躍を見せていることを引き合いに出し、アロンへの期待をにじませた。
また、アロンはキック・ザウバーからの2回のFP1セッションに加えて、アルピーヌのマシンでもシーズン中に3回のFP1走行を予定しており、日程は後日発表される。
│F1ドライバーへの道へ
21歳のエストニア人ドライバー、ポール・アロンは、昨シーズンF2でランキング3位に輝いた実績を持つ。今シーズンはレース活動を行っていないが、アルピーヌのリザーブドライバーとしてシミュレーター作業やマシン開発に尽力している。
アロンは今回の機会について、「F1でのトラックタイムはとても貴重な経験。シルバーストーンとブダペストで全力を尽くしたい」と語り、「フルタイムF1ドライバーになるという夢に向けた重要な一歩」と意欲を見せた。
BREAKING: Paul Aron to take part in FP1 for Kick Sauber at British and Hungarian Grands Prix! 👀👇#F2 #RoadToF1https://t.co/AaHq6u6oK2
— Formula 2 (@Formula2) June 30, 2025
