F1中継では「VSCが導入された」というアナウンスが突然入る。
VSCは、レースを止めずに安全を確保するための制度である。
この用語を理解すると、なぜ順位が大きく変わらないのかが分かる。
│ VSCとは何か
VSCとは、実際のセーフティカーを出さずに、全車の走行速度を制限する仕組みである。
事故やマシントラブルが発生した際に導入される。
VSC中は、ドライバーが決められた基準速度以下で走行する必要がある。
この制度は、2015年からF1に導入された。
目的は、マーシャルの安全確保とレース進行の維持である。
│VSC中の走行ルール
VSCが導入されると、各ドライバーには「デルタタイム」と呼ばれる基準時間が表示される。
ドライバーは、この基準より速く走行してはいけない。
デルタを超えると、違反としてペナルティの対象になる。
VSC中は、追い抜きが禁止される。
ただし、マシン間の間隔は詰まらない。
この点が、通常のセーフティカーと大きく異なる。
F1マシンの燃費ってどれくらい?市販車との驚きの違い
│セーフティカー(SC)との違い
VSCでは、全車が隊列を組まない。SCでは、全車がセーフティカーの後ろに並ぶ。
したがって、VSCは、順位変動が起きにくい。SCは、隊列が詰まるため、順位が大きく変わりやすい。
この違いにより、VSCはレースへの影響を最小限に抑える制度といえる。
VSC中にピットインすると、通常より時間ロスが少ない。
そのため、VSCは戦略上の重要な判断ポイントになる。
チームは、VSC導入と同時にピットインの可否を判断する。
この判断が、順位を左右する場合もある。