
■コースプロフィール
ニュルブルクリンクGPコース
(独:Nürburgring GP-Strecke)
ドイツ西部、ラインラント=プファルツ州ニュルブルクにある常設サーキット。
現代F1で使われたのは、ニュルブルクリンク内のGPコース(GP-Strecke)である。
ニュルブルクリンクと聞くと、多くの人は「北コース」を思い浮かべるかもしれない。
北コースは、長く、狭く、高低差も大きい伝説的なコースである。
一方で、現代F1で使われたのは、より安全基準に合わせて整備されたGPコースである。
F1では、ドイツGP、ヨーロッパGP、ルクセンブルクGP、アイフェルGPなどの名称で開催された。
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│コースマップ

| コース長 | 5.148km |
|---|---|
| コーナー数 | 15 |
| 最高速度 | 約320km/h |
| タイプ | テクニカル |
| SC導入率 | 中 |
| 最高速 | 3/5 |
|---|---|
| 加速 | 4/5 |
| ダウンフォース | 4/5 |
| ブレーキ | 4/5 |
| タイヤ | 4/5 |
│コースの特徴とポイント
ニュルブルクリンクGPコースは、低速コーナー、中速コーナー、短い加速区間が組み合わされたテクニカルサーキットである。
スパやモンツァのように、長い全開区間で一気に伸びるコースではない。
一方で、低速コーナーだけのストップ&ゴー型でもない。
ドライバーには、ブレーキングの正確さ、立ち上がりの加速、そして中速コーナーでの安定感が求められる。
また、ニュルブルクリンクは山間部に近い地域にある。
天候が変わりやすく、気温も低くなりやすい。
そのため、タイヤを適切な温度へ入れることが重要になる。
単純な速さだけでは攻略しにくいサーキットである。
タイヤを温める力、ブレーキで止める力、そしてミスを減らす力が必要になる。

①ターン1の攻略
ニュルブルクリンクGPコースで重要になるのが、ターン1である。
ターン1は、メインストレートの先にある右の低速コーナーである。
ここでは、長い加速区間のあとに強いブレーキングが必要になる。
そのため、オーバーテイクのチャンスが生まれやすい。
ただし、ターン1は簡単なコーナーではない。
ブレーキを遅らせすぎると、マシンは外へ膨らむ。
逆に慎重になりすぎると、立ち上がりでスピードを失う。
ターン1の出口では、次の低速区間へ向けた姿勢づくりも重要になる。
つまり、ターン1は単独のコーナーではなく、次の区間にも影響するコーナーである。
ここで前に出ることはできる。
しかし、無理をするとタイヤを傷めたり、ラインを外して逆に抜き返されたりする。
ニュルブルクリンクのターン1は、攻める勇気と冷静な判断が同時に必要になる場所である。
②メルセデス・アリーナ
ニュルブルクリンクGPコースの序盤には、メルセデス・アリーナと呼ばれる複合区間がある。
ここは低速から中速のコーナーが連続するセクションである。
ドライバーは、ブレーキ、旋回、加速を短い間隔で繰り返す。
この区間で重要になるのは、マシンの向きを早く変える力である。
フロントの反応が鈍いと、コーナーの入口でタイムを失う。
リアが不安定だと、出口でアクセルを踏めなくなる。
また、メルセデス・アリーナでは、縁石の使い方も重要になる。
縁石をうまく使えば、走行ラインを広く取ることができる。
しかし、乗りすぎるとマシンの姿勢が乱れる。
この区間は、派手な最高速が見える場所ではない。
しかし、ラップタイムを作るうえでは非常に重要である。
マシンのバランスが悪いと、ドライバーはここで小さなロスを積み重ねる。
その小さなロスが、予選では大きな差になる。
③タイヤと気温
ニュルブルクリンクでは、タイヤの温度管理が重要になる。
このサーキットは、気温や路面温度が低くなりやすい。
そのため、タイヤを作動温度へ入れることが難しくなる場合がある。
タイヤを温めようとして急に使いすぎると、表面だけが先に苦しくなる。
そうなると、グリップの安定感が落ちる。
ニュルブルクリンクでは、タイヤを温めることと、使いすぎないことの両立が必要になる。
特にレースでは、序盤の数周が重要になる。
タイヤが十分に温まる前に無理をすると、コースオフや接触のリスクが高まる。
速く走るためには、ただ攻めるだけでは不十分である。
タイヤの状態を読みながら、ペースを作る必要がある。
■過去の名場面
|2007年:大波乱のレースと、まさかのラップリーダー
スタート直後、急に強い雨が降り始めた。
路面は一気に濡れ、多くのマシンがターン1で止まりきれなくなった。
この混乱の中で注目を集めたのが、スパイカーで事前に雨用タイヤへ交換していた。
その判断が的中し、下位チームのスパイカーがトップを走るという珍しい展開が生まれた。
|2005年:悲劇の最終ラップ
2005年では、マクラーレンのキミ・ライコネンがトップを走っていた。
後方からは、ルノーのフェルナンド・アロンソが追い上げていた。
悲劇は最終ラップに起きた。
ライコネンはターン1のブレーキングでサスペンションを壊し、そのままコースアウトした。
優勝目前だったライコネンは、そこでレースを終えることになった。
その結果、アロンソが勝利を手にした。
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