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カタロニア・サーキット
(Circuit de Barcelona-Catalunya)
スペインのカタルーニャ州バルセロナにあるサーキット。スペインを代表するサーキットで、2輪・自転車競技でも使用されている。低速から、高速までとてもバランスが取れたレイアウトでありながら、温暖な気候であることからシーズン前のテストコースとしても使用されている。コース自体は1991年開業と新しい。また、F1シーズンの1クオーター終了程で開催されるため、このコースでの結果がシーズン終盤までの大型アップデートをするか否か明暗もわかれたりする。
全長4.675km、16のコーナー(右コーナー9、左コーナー7)を持つF1カレンダーでもバランスの取れたサーキット。多様なレイアウトにより、高速・中速・低速コーナーが織り交ざり、車両の総合的な性能が試される。
特にターン③とターン⑨の高速コーナーではダウンフォースの安定性が重要で、メインストレート(1.05km)は最高速が試される。一方、舗装路面の特性と高速コーナーの影響でタイヤ摩耗が激しく、タイヤマネジメントがレース戦略の鍵となる。さらに、ブレーキングゾーンや加速区間も多く、ドライバーの精密な技術が求められる技術的なサーキットとして知られている。
高速コーナー(特にターン③やターン⑨)が多いカタロニアサーキットでは、ダウンフォースとトップスピードのバランスが勝利のカギになる。ダウンフォースを重視しすぎるとストレートで遅れを取り、逆に軽視するとコーナリング性能が損なわれてしまう。
したがって、全体的な空力バランスを最適化することが必要になる。特に、風の影響を受けやすいサーキットであるため、風向きの変化に対応できるセットアップが求められる。また、空力バランスの改善によりタイヤ摩耗を抑える効果も期待でき、ラップタイムの安定性に寄与できる。この点で、エンジニアとドライバー間のコミュニケーションが重要だ。
カタロニアサーキットの路面は、高いグリップ力と粗めの舗装が特徴。路面の粗さがタイヤに大きな摩耗を与えるため、タイヤマネジメントが重要なポイントとなる。特に高速コーナーが連続するレイアウトも多いため、左フロントタイヤにかかる負担が大きく、過熱や摩耗のリスクが高まる。
また、路面のコンディションは天候や使用頻度によって変化しやすく、グリップレベルがレースウィークの初日から徐々に向上していく傾向がある。さらに風の影響を受けやすい位置にあるため、路面の一貫性に欠けることも。これらの要因により、車両のセットアップとドライバーの対応力が試される技術的な要素が含まれている。 タイヤが滑りやすくなったり、すぐに摩耗したりとマシンへの影響を及ぼす。
このサーキットのオーバーテイクポイントは主に2つ。ターン①は、メインストレートの終わりに位置し、DRSを利用してスピードを稼ぎ、ブレーキングゾーンで仕掛けるオーバーテイクのチャンス。このポイントでは、直線の長さを活かして追い抜くことができるため、最も一般的なオーバーテイクスポットだ。ただし、ターン②と続くため、ライン取りを慎重に選ばなければカウンターを受けることもあるので注意。
ターン⑩は、ターン⑨からの下りストレート後にあるヘアピンコーナーで、強いブレーキングが必要となる。ここでは、後続車が進入時に前車を抜くチャンスを得ることができ、トラクションと車両の安定性が鍵となる。
これらのポイントでは、ドライバーが巧みなブレーキングとライン取りを駆使してオーバーテイクを決めることが求められる。
|2016年:マックス・フェルスタッペン VS キミ・ライコネン
2016年スペインGPでは史上最年少のGP優勝者を記録した。スペインGPからレッドブルでレースをすることになったフェルスタッペンはフェラーリのライコネンとの攻防を制し、18歳という若さで優勝した。
|1991年:アイルトン・セナ VS ナイジェル・マンセル
このレースは、カタロニアサーキットがF1カレンダーに初登場した年で、アイルトン・セナとナイジェル・マンセルの激しいバトルが繰り広げられた。メインストレートで両者がサイド・バイ・サイドで並びながら300km/h以上のスピードで走行するシーンは、F1の名場面として語り継がれる