2025年6月16日にジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われたF1カナダGPは、マクラーレンにとって波乱のレースとなった。オスカー・ピアストリとランド・ノリスが終盤に接触するアクシデントに見舞われ、チームの勢いに水を差す形となった。

チーム内バトルがアクシデントに発展

終盤接触するマクラーレンの2台

レース序盤から中盤にかけて苦戦を強いられていたピアストリは、ピット戦略を通じてポジションを維持。後方から迫ってきたノリスと激しいポジション争いを展開したが、終盤に差し掛かった場面で両者は接触。ノリスのマシンはダメージを負い、無念のリタイアに終わった。

ピアストリは接触について次のように振り返った。

「まだ映像を見返していないので詳細は分からない。ただ、イン側を守っていた時に軽く当たった感触があった。チームとしては残念な結果ですし、それ以外でも簡単な週末ではなかった。」

予選から流れを掴めず

週末を通じてマクラーレン勢はリズムを見つけるのに苦戦。予選ではピアストリが3位、ノリスが7位とまずまずの結果を残したものの、レース本番ではライバル勢に対する優位性を活かしきれなかった。

特に、メルセデスのジョージ・ラッセルが冷涼なコンディション下で速さを発揮し、今季初勝利を挙げる中、マクラーレンは反撃の糸口を掴めずにいた。

表彰台を逃すも、ランキングでは優位に

ピアストリはその後もセーフティカー後の周回を走り切り、4位でフィニッシュ。開幕戦メルボルン以来となる表彰台圏外の結果となったが、それでもランキング争いではノリスとの差を10ポイントから22ポイントに広げる結果となった。

「もちろんもっと良い結果が欲しかったですが、こういう週末もあります。今日はその一つだったと思う。」

今後のマクラーレンに必要なものとは?

ノリスとピアストリの直接対決は今季初の接触となったが、ノリス自身もレース前から「接触は“起こるかどうか”ではなく、“いつ起こるか”の問題」と語っていたように、両者の速さが接近する中で避けられない展開だったのかもしれない。

マクラーレンにとっては、タイトル争いを続ける上でチーム内の秩序と安定性が今後ますます重要になるだろう。

ましては、チャンピオン争いをしているエースドライバー2名にとって最悪な事態は起きたくない。今後の二人の動きと意識に注目をする必要がありそうだ。