2025年カナダGPは、メルセデスのジョージ・ラッセルがポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を挙げた。チームメイトのキミ・アントネッリは自身初となるF1表彰台を獲得し、メルセデスにとって最高の週末となった。一方レッドブルのマックス・フェルスタッペンも何とか優勝をもぎ取るためにもがき惜しくも2位でフィニッシュした。そんな彼らはレース後の取材にてレースを振り返った。

ポールと優勝を狙えるだけの力があると信じていたラッセル

「ここ数戦は厳しい週末もありましたが、今回こうして勝てたことは大きな意味がある。カナダに来る前から、我々にはポールポジションと優勝を狙えるだけの力があると信じていた」と語ったラッセルは、マシンとチームへの自信を改めて強調した。

決勝では高温コンディションのなか、滑らかな路面と低速コーナーが特徴的なカナダのサーキットがメルセデスのパッケージとマッチしたことも勝因の一つだった。

「暑さはありましたが、カナダの滑らかな路面と低速コーナーの多さが、我々のマシンに適していたと思う。多くのサーキットではまだ課題が残りますが、チャンスを確実にものにできたことは評価できるよ」と分析する。

── マックスのプレッシャーについて

「もちろん、マックスがずっと背後にいるプレッシャーはあった。ただ、今日は良いスタートを切れたことでリズムに乗れましたし、他のノイズを無視して走ることに集中しました。良い日になった」

さらに、去就が注目される2026年以降の契約について問われると、ラッセルは落ち着いた様子を見せた。

「今は焦っていない。まだまだポテンシャルを感じているし、世界選手権争いにも自信がある。目の前のレースに集中するだけだよ」

トリプルヘッダーの締めくくりに結果を残し、復調を印象づけたラッセル。彼の目はすでに、次なる勝利とタイトル争いに向いている。

最大限の結果だったと語るマックス・フェルスタッペン

カナダGPで2位フィニッシュを果たしたマックス・フェルスタッペンは、厳しいコンディションの中での粘り強い走りを振り返り、「今日の2位は、僕らにとって最大限の結果でした」と語った。

「タイヤにはかなり苦しみましたが、最後のスティントで燃料を減らし、何とかペースを維持できました。攻撃と防御を両立させたレースだったと思います」と話し、理想的ではない状況下でも冷静にレースを組み立てた姿勢が光った。

── セーフティカーがなければ勝てた?

「正直に言うと、それ(勝てた可能性)はなかったと思う。タイヤの劣化が厳しく、特に2スティント目のハードタイヤでは苦戦した。アントネッリにオーバーテイクされそうにもなりましたが、うまくピット戦略で防げた。」

理想のマシンバランスではなかったものの、チームと共にできる限りの対応を施したという。

次戦はレッドブルのホームレースとなるオーストリアGP。フェルスタッペンはその舞台を前に、静かに闘志を燃やしている。

フロントタイヤに苦労したアントネッリ

メルセデスのルーキー、キミ・アントネッリがカナダGPで3位に入り、自身初のF1表彰台を獲得した。19歳の若きイタリアンは、レース後のインタビューで興奮を隠さず、笑顔を見せた。

── 表彰台の感想は?

「とにかく嬉しいです!スタートで3位に上がれて、そのままポジションを守ることができました。最後はフロント左タイヤにダメージを抱えていて少し苦労しましたが、表彰台を守れて本当に良かったです」

ピアストリ(マクラーレン)との接戦を制したシーンでは、自信ある判断が光った。

「T2で並びかけた時に、T3では自分が有利だと確信していました。その通りに運べたことが勝因です」

また、メルセデスのマシンの進化についても手応えを口にしている。

「このコースは僕たちに合っていました。次の数戦でもこの勢いを維持できるよう努力します」

順調にステップアップを重ねるアントネッリ。次戦以降の活躍にも注目が集まる。