F1を観ていると、ピットストップのタイミングで「アンダーカット」や「オーバーカット」という言葉が解説で出てくることがあります。
これは戦略上の駆け引きを指すF1特有の用語。
簡単に言うと、
アンダーカット=先にタイヤ交換してタイムを稼ぎ、前に出る作戦
オーバーカット=相手より遅れてタイヤ交換し、それでも前に出る作戦
のこと。
│なぜ必要なの?
F1では、ピットストップでタイヤ交換を行うのがルール。
タイヤの性能差や摩耗の進み具合によって、ラップタイムに大きな差が生まれる。
そのため、ピットインのタイミングを工夫することで順位を入れ替えるチャンスが生まれるのです。
│アンダーカットとは

相手より先にピットインして新しいタイヤに履き替える戦略。
新しいタイヤでコースに戻る
摩耗したタイヤの相手より速いペースで走れる
相手がピットインして戻ったときには、自分が前に出ている
これが「アンダーカット成功」と呼ばれる状態です。
アンダーカットが有効なケース
新しいタイヤでのタイム改善幅が大きいとき
ピット作業がスムーズにいったとき
コース上で前に出た後に抜かれにくいサーキット(例:モナコ)
│オーバーカットとは

逆に、相手より遅れてピットインしても前に出る戦略。
先に入った相手が新しいタイヤでも渋滞やトラフィックに引っかかる
まだ走れる古いタイヤで速いラップを刻む
遅れてピットインしても、戻るときに相手の前に出られる
これが「オーバーカット成功」です。
オーバーカットが有効なケース
古いタイヤでもタイムが落ちにくいとき
トラックポジション(コース上の位置)が重要なとき
相手が新しいタイヤで速いタイムを取れないとき
│実際のF1では?

アンダーカットは現代F1で非常に強力な武器とされています。
特にピットイン直後の「アウトラップ」が速いドライバーは、戦略で順位を逆転しやすい。
一方、オーバーカットはタイヤに優しいドライバーやタイヤの摩耗が少ない路面で効果を発揮することがあり、実際に歴史的な逆転劇を生んできた。
まとめると、
用語 | 定義 |
---|---|
アンダーカット | 先にピットインして新しいタイヤに交換し、交換直後の速いラップで前に出る戦略。 |
オーバーカット | 相手より遅れてピットインし、相手が渋滞などでタイムを落とした隙に前に出る戦略。 |
というF1独特の戦略バトルとして覚えてもらえるとレースが楽しくなるだろう。