F1中継では、「ブレーキバイアスを前に動かした」「リア寄りに変更した」という表現が使われる。

ブレーキバイアスは、前輪と後輪へ振り分ける制動力の割合を指す。
ブレーキバランスと呼ばれる場合もある。

F1ドライバーは、走行中にブレーキバイアスを調整できる。
ブレーキバイアスを理解すると、ロックアップやコーナー進入時の挙動が分かりやすくなる。

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│ブレーキバイアスとは何か

ブレーキバイアスとは、ブレーキをかけたときの制動力を、前輪と後輪へどのように配分するかを示す設定である。

F1マシンには、前輪用と後輪用の独立したブレーキ回路がある。
ドライバーがブレーキペダルを踏むと、前後のブレーキがマシンを減速させる。

しかし、前輪と後輪へ同じ割合で制動力を与えるとは限らない。
ドライバーは、ステアリングの操作スイッチを使って前後の配分を変更できる。

FIAの2026年技術規則でも、前輪と後輪は別々の油圧回路で作動する。
走行中のブレーキ設定変更には、ドライバーの直接操作が必要とされている。

│前寄りと後ろ寄りでは何が変わるのか

ブレーキバイアスを前寄りにすると、フロントブレーキが担当する制動力が増える。
強いブレーキングでは、マシンの荷重が前方へ移動する。
前輪は大きな荷重を受けるため、強い制動力を使いやすい。

前寄りの設定は、強い減速時にマシンを安定させやすい。
ただし、前寄りにしすぎるとフロントタイヤがロックしやすくなる。
フロントタイヤがロックすると、マシンは曲がりにくくなる。
フラットスポットが発生する可能性もある。

ブレーキバイアスを後ろ寄りにすると、リアブレーキが担当する制動力が増える。
後ろ寄りの設定は、コーナー進入時にマシンの向きを変えやすくする場合がある。

ただし、後ろ寄りにしすぎるとリアタイヤがロックしやすくなる。
リアタイヤが先にロックすると、マシンの後部が不安定になる。
ドライバーが制御できなければ、スピンにつながる可能性もある。

│なぜ走行中に設定を変えるのか

最適なブレーキバイアスは、すべてのコーナーで同じではない。

長いストレート後の低速コーナーでは、強い減速が必要になる。
ドライバーは、安定性を重視して前寄りの設定を使う場合がある。

旋回しながらブレーキを残すコーナーでは、前寄りの設定が強すぎると曲がりにくくなる。
ドライバーは、マシンの向きを変えやすくするために配分を調整する。

燃料が減ると、マシンの重量とバランスも変化する。
タイヤの摩耗や路面グリップも、レース中に変化する。
雨天では、フロントタイヤのロックを抑えるために、ブレーキバイアスを後ろへ動かす場合がある。

F1ドライバーは、サーキットの区間やマシンの状態に合わせて、走行中に細かな調整を続けている。

│まとめ

出典:mercedesamgf1.com

ブレーキバイアスは、前輪と後輪へ配分する制動力の割合である。

前寄りの設定は、強いブレーキングで安定性を得やすい。
前寄りにしすぎると、フロントタイヤがロックしやすくなる。

後ろ寄りの設定は、コーナー進入時にマシンの向きを変えやすくする場合がある。
後ろ寄りにしすぎると、リアタイヤが不安定になりやすい。

F1ドライバーは、コーナーの特徴、タイヤの状態、燃料量、路面状況に合わせてブレーキバイアスを調整している。

ブレーキバイアスを理解すると、ロックアップが起きる理由や、ドライバーがステアリングを操作する意味が分かりやすくなる。