F1オランダGPでは、観客席が一面オレンジ色に染まる光景を見ることができる。

オレンジ色のシャツを着たファンが集まり、オレンジ色の旗や帽子などを使ってマックス・フェルスタッペンを応援している。
しかし、オレンジ色はレッドブルのチームカラーではない。

オランダ国旗も赤、白、青の3色で、現在の国旗にオレンジ色は使われていない。

なぜ、オランダ人のF1ファンはオレンジ色を身につけるのだろうか。
オレンジ色は、オランダ王室の歴史と深く関係している。

そして、フェルスタッペンを応援するオレンジ色のファンは、F1で「オレンジアーミー」と呼ばれている。

なぜF1のようなレースはオリンピック競技にないのか
│なぜオランダの象徴はオレンジ色なのか?
出典:rebelsorbeggars.com

オレンジ色は、オランダ王室のオラニエ=ナッサウ家(House of Orange-Nassau)に由来する。

ウィレム・ファン・オラニエは、現在の南フランスにあったオラニエ公国を継承し、「オラニエ公」となった。
オラニエ家との結びつきから、オレンジ色はオランダを象徴する色として広く使われるようになった。

現在では、オレンジ色はオランダで国民の団結や誇りを示す色として定着している。
オランダでは、国王の誕生日を祝う「国王の日」に、多くの人がオレンジ色の服を着る。

サッカーのオランダ代表を応援するときにも、観客席がオレンジ色に染まる。
現在のオランダ国旗にオレンジ色は入っていないが、歴史をたどるとオレンジ色が使われていた時期もある。

オランダ王室によると、1572年に記録された国旗はオレンジ、白、青だった。
オレンジ色は17世紀に徐々に赤へ置き換えられ、現在の赤、白、青の国旗につながった。

つまり、F1の観客席に広がるオレンジ色は、
フェルスタッペンやレッドブルが作った色ではない。
オレンジ色は、もともとオランダ社会に定着していた国民的な色だ。

│オレンジアーミーとは?

オレンジアーミー(Orange Army)は、主にマックス・フェルスタッペンを応援するオランダのファンを表す呼び名だ。

ファンはオレンジ色のシャツや帽子を身につける。
オレンジ色のかつらや旗などを使うファンもいる。

「アーミー」という名前が付いているが、軍隊を意味しているわけではない。

大勢の熱心なファンが集まり、一体となってフェルスタッペンを応援する姿を表している。

オレンジアーミーの大きな特徴は、特定のサーキットだけに集まるファンではない点だ。

F1公式も、フェルスタッペンを追ってヨーロッパ各地を移動するファン文化としてオレンジアーミーを紹介している。

│フェルスタッペンが変えたオランダのF1人気

オランダには、フェルスタッペンが登場する以前にもF1ドライバーがいた。

ヤン・ラマースやヨス・フェルスタッペン、クリスチャン・アルバースなどがF1に参戦している。
ヨス・フェルスタッペンは、マックス・フェルスタッペンの父親でもある。

しかし、F1公式によると、当時のオランダではF1がサッカーや自転車競技ほど大きな人気を獲得していたわけではなかった。
状況を大きく変えたのがマックス・フェルスタッペンだった。

フェルスタッペンは2015年に17歳でF1デビューを果たした。
フェルスタッペンは2016年にレッドブルへ昇格し、移籍初戦となったスペインGPでF1初優勝を達成した。

オランダに世界のトップを争うドライバーが登場したことで、国内のF1人気は大きく拡大した。

重要なのは、オレンジ色の文化そのものをフェルスタッペンが作ったわけではない点だ。

オレンジ色はフェルスタッペンがF1に登場する以前から、オランダを象徴する色だった。

フェルスタッペンの活躍によって、オレンジ色のファン文化がF1でも世界的に知られるようになった。

│オレンジ色の発煙筒が話題になったこともある

過去のオランダGPでは、オレンジ色の煙が観客席を覆う光景も見られた。
オレンジ色の煙と観客席は、映像でも強い印象を残した。

一方で、発煙筒の煙や投げ込まれた物が、セッションへ影響した事例もある。
2022年オランダGPの予選では発煙筒がコースへ投げ込まれ、セッションが中断された。

フェルスタッペン自身も、コースへ発煙筒を投げ込む行為は危険だと批判している。
現在のオランダGPでは、発煙筒を含む花火類の持ち込みや使用は禁止されている。

そのため、オレンジアーミーというファン文化と発煙筒の使用は分けて考える必要がある。
オレンジ色の服や旗を使った応援が、オレンジアーミーの中心だ。

│2026年オランダGPで注目したいポイント
出典:goodwood.com

2026年F1オランダGPは、8月21日から23日にザントフォールトで開催される。
テレビで観戦するときは、マシンだけではなく観客席にも注目したい。

オランダ国旗とオレンジ色が一緒に並ぶ理由が分かれば、観客席の見え方も少し変わる。

フェルスタッペンがコースへ登場した瞬間の歓声にも注目したい。

観客席で行われる旗を使った演出や、レース終了後のファンの反応もオランダGPならではの見どころだ。

そして、2026年大会には特別な意味もある。

2026年は、オランダGPで初めてスプリントが開催される。
同時に、ザントフォールトで開催される最後のF1オランダGPでもある。

世界的に知られるようになった「オレンジの海」を見る機会としても、2026年大会は特別な一戦になりそうだ。

│まとめ

F1オランダGPの観客席がオレンジ色に染まる理由は、レッドブルのチームカラーとは関係がない。

2026年オランダGPを見るときは、レースだけではなく観客席にも注目したい。
ザントフォールトを埋め尽くすオレンジ色には、フェルスタッペンへの応援だけではなく、オランダの長い歴史と文化も込められている。

マックス・フェルスタッペンの登場によって、オレンジ色の文化はF1でも強い存在感を持つようになった。

フェルスタッペンを応援するファンは「オレンジアーミー」と呼ばれ、現在ではヨーロッパ各地のF1サーキットをオレンジ色に染めている。

2026年オランダGPを見るときは、レースだけではなく観客席にも注目してみたい