2026年8月後半から9月にかけて、F1では2027年に向けたドライバー契約の発表が相次いだ。

8月にはアレクサンダー・アルボン、カルロス・サインツ、マックス・フェルスタッペン、フランコ・コラピント、ランド・ノリスの将来が相次いで決定した。

さらに9月23日には、レッドブルがアイザック・ハジャーとの契約延長を発表。9月29日には、アストンマーティンがフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの2027年残留を発表した。

そして9月30日、エステバン・オコンが2026年限りでハースを離れることが正式に決まった。

2027年のF1ドライバー市場は大部分が整理され、正式発表を待つシートはハースとレーシングブルズの4席まで絞られている。

│8月後半から9月末までにドライバー市場が一気に動いた

8月18日のアルボンを皮切りに、約1か月半で2027年のドライバー市場は大きく整理された。

発表日ドライバーチーム内容
8/18アレクサンダー・アルボンウィリアムズ2027年も残留
8/19カルロス・サインツウィリアムズ新たな複数年契約
8/20マックス・フェルスタッペンレッドブル2030年末まで契約延長
8/27フランコ・コラピントアルピーヌ2027年も残留
8/29ランド・ノリスマクラーレン少なくとも2030年末まで
9/23アイザック・ハジャーレッドブル2027年も残留
9/29フェルナンド・アロンソアストンマーティン2027年も残留
9/29ランス・ストロールアストンマーティン2027年も残留
9/30エステバン・オコンハース2026年限りで退団


アルボンは8月18日に2027年残留が発表され、サインツも翌日に新たな複数年契約を締結した。フェルスタッペンは従来の2028年末までの契約を延長し、2030年末までレッドブルで戦うことを決めている。

ノリスもマクラーレンとの契約を少なくとも2030年末まで延長した。従来の契約は2027年末までとみられていたが、契約終了を待たずに長期契約へ切り替えた。

│ノリスは2030年まで、マクラーレンも長期体制へ

ランド・ノリスは8月29日、マクラーレンとの新契約を発表した。

契約は少なくとも2030年末まで続き、2030年以降へ延長できる複数年オプションも含まれている。

ノリスは2019年のF1デビューからマクラーレン一筋で戦い、2025年には自身初のドライバーズチャンピオンを獲得した。

チームメイトのオスカー・ピアストリも2027年の契約を持っている。

マクラーレンは2027年もノリスとピアストリの現在のコンビを維持できる状況となっている。

│レッドブルは継続でのコンビ

マックス・フェルスタッペンは8月20日、レッドブルとの契約を2030年末まで延長した。

従来の契約は2028年末までだった。

2026年は新レギュレーション導入後にレッドブルが苦戦したこともあり、フェルスタッペンには他チームへの移籍説が浮上していた。

マクラーレンとの接触も報じられたが、最終的にフェルスタッペンはレッドブルとの長期契約を選択した。

今回の契約によって、フェルスタッペン自身の2027年以降の去就は決着した。

レッドブルは9月23日、アイザック・ハジャーを2027年も起用すると発表した。

ハジャーは2026年からマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めている。レッドブルは育成時代から続く長期契約のオプションを行使し、2027年のシートを確保した。

これによって、レッドブルはフェルスタッペンとハジャーによる現在のコンビを2027年も継続する。

フェルスタッペンはすでに2030年末まで契約しているため、8月時点で未確定だったレッドブルの2台目も埋まった。

│ウィリアムズはアルボンとサインツを継続

ウィリアムズは8月18日にアルボン、翌19日にサインツとの契約を相次いで発表した。

アルボンは2027年もウィリアムズで戦う。

サインツは新たな複数年契約を締結した。正式な終了年は発表されていないが、F1公式では2028年末までの契約とみられている。

ウィリアムズは2026年に苦戦している。

それでもチームは、再建を進めるうえでアルボンとサインツという経験豊富な2人を維持する道を選んだ。

2027年のラインアップを早い段階で確定させたことで、ドライバーをめぐる不確定要素はなくなった。

│コラピントは2027年もアルピーヌに残留

アルピーヌは8月27日、フランコ・コラピントを2027年も起用すると発表した。

コラピントは2026年にパフォーマンスを向上させた。
前半12戦のうち6戦でポイントを獲得し、カナダGPでは自己最高の6位を記録している。

チームメイトのピエール・ガスリーは、すでに少なくとも2028年末までの契約を持っている。

アルピーヌはガスリーとコラピントの現在のコンビを2027年も継続する。

│オコンがハース退団、カマラが後任候補に

一方、9月30日には新たな動きもあった。

エステバン・オコンが2026年シーズン終了をもってハースを離れることが正式に決まった。

オコンは2025年にアルピーヌからハースへ加入し、オリバー・ベアマンとコンビを組んできた。しかし、ハースは2027年に向けてオコンとの契約を継続しないことを決めた。

オコンはF1で戦い続ける意欲を示しているが、現時点で2027年のレースシートは決まっていない。

ハースは2027年のラインアップをまだ正式発表していない。

ただし、F1公式によると、ベアマンの残留が有力視されており、オコンの後任候補ではフェラーリ育成のラファエル・カマラが先行している。 

ハースは旧型車を使ったTPCで、カマラのほか、レオナルド・フォルナローリ、ジャック・ドゥーハン、平川亮も評価してきた。

フォルナローリも初期段階では有力候補だったが、F1公式はフェラーリとの協議を経てカマラが最有力候補になったと伝えている。

│アロンソとストロールも2027年残留

9月29日には、アストンマーティンも2027年のラインアップを発表した。

フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがともに契約を延長し、2023年から続くコンビが2027年も継続する。

特に注目されていたのがアロンソの去就だった。

従来の契約では2026年が一つの区切りとなっていたため、2027年もF1で現役を続けるのかがドライバー市場の焦点となっていた。

アロンソは検討の末、アストンマーティンでF1キャリアを継続することを決めた。

この発表によって、2027年グリッドで正式発表を待つシートは残り4席となった。

│2027年のドライバーラインアップはどうなっている?
出典:F1.comのLine Upから編集

9月30日時点で、2027年の状況を整理すると以下のようになる。

チームドライバー1ドライバー22027年の状況
マクラーレンランド・ノリスオスカー・ピアストリ2席とも契約あり
メルセデスジョージ・ラッセルキミ・アントネッリ継続見込み
レッドブルマックス・フェルスタッペンアイザック・ハジャー2席とも確定
フェラーリシャルル・ルクレールルイス・ハミルトン2席とも契約下
ウィリアムズアレクサンダー・アルボンカルロス・サインツ2席とも確定
レーシングブルズ未確定未確定2席未確定
アストンマーティンフェルナンド・アロンソランス・ストロール2席とも確定
ハース未確定未確定オコン退団、2席未発表
アウディニコ・ヒュルケンベルグガブリエル・ボルトレート継続有力
アルピーヌピエール・ガスリーフランコ・コラピント2席とも確定
キャデラックバルテリ・ボッタスセルジオ・ペレス2席とも契約下


メルセデスでは、ラッセルが2027年までの契約を持ち、アントネッリも2027年に継続するとみられている。

フェラーリではルクレールが2028年以降まで続く複数年契約を持つ。ハミルトンも複数年契約を結んでおり、2027年も現在のコンビが継続するとみられている。

アウディもヒュルケンベルグとボルトレートが複数年契約を結んでいるため、現在のコンビが継続する見込みだ。

│残る焦点はハースとレーシングブルズ

2027年のドライバー市場で正式発表を待つのは、ハースの2席とレーシングブルズの2席だ。

ハースではベアマンの残留が有力視され、もう1席ではカマラが最有力候補として名前を挙げられている。

レーシングブルズでは、アービッド・リンドブラッドの残留が有力視されている。

もう1席についてはリアム・ローソンが有力候補となっているが、レッドブル育成のニコラ・ツォロフが昇格する可能性も残されている。F1公式も、この2人を残るシートを争う候補として挙げている。

2027年のドライバー市場は、ハースとレーシングブルズの4席を残す最終段階に入った。

│まとめ

2026年8月後半から9月にかけて、2027年のF1ドライバー市場は大きく整理された。

フェルスタッペンとノリスは2030年まで続く長期契約を締結。ウィリアムズはアルボンとサインツを維持し、アルピーヌもガスリーとコラピントの現在のコンビを2027年も起用する。

9月にはハジャーのレッドブル残留が決まり、アロンソとストロールもアストンマーティンとの契約を延長した。

一方、9月30日にはオコンのハース退団が正式に決まった。

今後の焦点は、正式発表が残るハース2席とレーシングブルズ2席だ。

ベアマンやリンドブラッドの残留が有力視されるなか、オコンが離れるハースのシートとレーシングブルズの残るシートを誰が獲得するのか。

2027年のF1ドライバー市場は、残り4席をめぐる最終局面に入っている。