2026年8月後半、F1ではドライバーの契約に関する発表が相次いだ。

8月18日のアレクサンダー・アルボンを皮切りに、カルロス・サインツ、マックス・フェルスタッペン、フランコ・コラピント、ランド・ノリスの将来が次々と決まった。

特に大きな動きとなったのが、フェルスタッペンとノリスだ。

フェルスタッペンはレッドブルと2030年末まで契約を延長した。ノリスもマクラーレンと少なくとも2030年末までの新契約を結んだ。

一方で、2027年のF1グリッドには現在も複数の未確定シートが残っている。

8月後半に決まった5人の契約と、2027年のドライバー市場を整理する。

│8月後半に5人の契約が決定

8月18日から29日までの12日間で、主に5人の将来に関する発表が行われた。

発表ドライバーチーム発表内容
8/18アレクサンダー・アルボンウィリアムズ2027年も残留
8/19カルロス・サインツウィリアムズ新たな複数年契約
8/20マックス・フェルスタッペンレッドブル2030年末まで
8/27フランコ・コラピントアルピーヌ2027年も残留
8/29ランド・ノリスマクラーレン少なくとも2030年末

ウィリアムズはアルボンが2027年も走ることを正式に発表した。翌日にはサインツとの新たな複数年契約も発表している。サインツの具体的な終了年は公表されていないが、F1公式は2028年末までと理解されているとしている。

アルピーヌはコラピントを2027年も起用する。契約期間の詳細は明かされていないため、「2027年末まで」と断定するより「2027年も残留」と表現する方が正確だ。

│ノリスはマクラーレンと少なくとも2030年まで

ランド・ノリスは8月29日、マクラーレンとの新契約を発表した。

新たな契約は少なくとも2030年末まで続く。さらに、2030年以降も契約を延長できる複数年オプションが含まれている。

ノリスは2019年のF1デビューから一度もマクラーレンを離れていない。2025年には自身初のドライバーズタイトルを獲得した。

従来の契約は2027年末までとみられていたため、マクラーレンは契約終了を待たずに長期契約へ切り替えた。

チームメイトのオスカー・ピアストリも2028年末まで契約している。

マクラーレンは少なくとも2028年まで、ノリスとピアストリの現在のコンビを維持できる状況となった。

│フェルスタッペンもレッドブル残留を決断

マックス・フェルスタッペンは8月20日、レッドブルとの契約を2030年末まで延長した。

従来の契約は2028年末までだった。

2026年は新レギュレーション導入後にレッドブルが苦戦したこともあり、フェルスタッペンには他チームへの移籍説が浮上していた。

マクラーレンとの接触も報じられたが、最終的にフェルスタッペンはレッドブルとの長期契約を選択した。

今回の契約によって、フェルスタッペン自身の2027年以降の去就は決着した。

一方で、もう1台のレッドブルについては2027年のドライバーが決まっていない。

│ウィリアムズはアルボンとサインツを継続

ウィリアムズは8月18日にアルボン、翌19日にサインツとの契約を相次いで発表した。

アルボンは2027年もウィリアムズで戦う。

サインツは新たな複数年契約を締結した。正式な終了年は発表されていないが、F1公式では2028年末までの契約とみられている。

ウィリアムズは2026年に苦戦している。

それでもチームは、再建を進めるうえでアルボンとサインツという経験豊富な2人を維持する道を選んだ。

2027年のラインアップを早い段階で確定させたことで、ドライバーをめぐる不確定要素はなくなった。

│コラピントは2027年もアルピーヌに残留

アルピーヌは8月27日、フランコ・コラピントを2027年も起用すると発表した。

コラピントは2026年にパフォーマンスを向上させた。
前半12戦のうち6戦でポイントを獲得し、カナダGPでは自己最高の6位を記録している。

チームメイトのピエール・ガスリーは、すでに少なくとも2028年末までの契約を持っている。

アルピーヌはガスリーとコラピントの現在のコンビを2027年も継続する。

│2027年のドライバーラインアップはどうなっている?
出典:F1.comのLine Upから編集

2027年については、契約年限を公表していないチームも多い。

さらに、正式なラインアップ発表は行われていなくても、契約やドライバー本人の発言から残留が事実上決まっているケースもある。

8月30日時点の状況を整理すると、以下のようになる。

チームドライバー1ドライバー22027年の状況
マクラーレンランド・ノリスオスカー・ピアストリ2席とも確定
メルセデスジョージ・ラッセルキミ・アントネッリ継続見込み
レッドブルマックス・フェルスタッペン未確定1席未確定
フェラーリシャルル・ルクレールルイス・ハミルトン2席とも契約下
ウィリアムズアレクサンダー・アルボンカルロス・サインツ2席とも確定
レーシングブルズ未確定未確定2席未確定
アストンマーティン未確定未確定2席未確定
ハース未確定未確定2席未確定
アウディニコ・ヒュルケンベルグガブリエル・ボルトレート継続有力
アルピーヌピエール・ガスリーフランコ・コラピント2席とも確定
キャデラックバルテリ・ボッタスセルジオ・ペレス2席とも契約下

メルセデスは正式な2027年ラインアップ発表を行っていない。ただし、F1公式はラッセルとアントネッリの契約が2027年まで続くとしている。チーム代表のトト・ウォルフも現在の2人を変更する意思がないことを示している。

アウディも2027年のラインアップを正式発表していない。
ヒュルケンベルグとボルトレートはいずれも複数年契約を結んでおり、現在のコンビが継続する可能性は高い。

正式発表の有無だけで見れば、ほかにも未確定のチームはある。
一方、契約状況やドライバー本人の発言まで含めると、実際の市場で動く可能性が高いシートは現時点でおよそ7席と考えられる。

│レッドブルとレーシングブルズは3席が未確定

最も動きが注目されるのがレッドブル系の2チームだ。

フェルスタッペンの残留は2030年まで決まった。

一方で、アイザック・ハジャーの契約は現在のところ2026年までとなっている。

レーシングブルズのリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドも2027年の契約は決まっていない。

ただし、3人とも残留候補ではある。

ハジャーは2026年前半に安定した成績を残した。ハジャーがオランダGPを欠場した際には、ローソンがレッドブルへ代役昇格し、7位でレースを終えている。

さらに、F2で戦うレッドブル育成のニコラ・ツォロフについて、レーシングブルズ代表のアラン・パーメインは「次の候補」であることを認めている。
ツォロフは8月28日にはRacing Bullsで初のF1テストも実施している。

角田裕毅もレッドブルとレーシングブルズのリザーブを務めており、オランダGPでは代役としてF1に復帰した。

レッドブル系の3席は、今後のドライバー市場で大きな注目ポイントになりそうだ。

│アストンマーティンは2席とも正式決定していない

アストンマーティンも2027年のラインアップを発表していない。

フェルナンド・アロンソの現在の契約は2026年末までとなっている。

アロンソ自身も2027年以降について判断を下しておらず、現役を続けるかどうかを含めて検討している。

ランス・ストロールも2027年の正式発表はまだない。

ストロールは引き続き残留する可能性が高いとみられるが、契約上は2027年のシートが正式に確定した状態ではない。

│ハースも2席が未確定

ハースも2027年のドライバーをまだ決めていない。

現在はエステバン・オコンとオリバー・ベアマンがレースドライバーを務めている。

チーム代表の小松礼雄は8月27日、2027年のラインアップ決定を急いでいないと説明した。

F1公式によると、ベアマンが残留する可能性はオコンより高いとみられている。ラファエル・カマラや角田裕毅も候補として挙げられている。

ハースの2席は、レッドブル系と並んで今後動く可能性のあるシートだ。

│契約延長ラッシュでドライバー市場は絞られた

8月に入るまでは、フェルスタッペンを中心に2027年の移籍市場が大きく動く可能性もあった。

しかし、フェルスタッペンはレッドブルと2030年まで契約を延長した。
ノリスもマクラーレンと少なくとも2030年末までの新契約を結んだ。

さらに、ウィリアムズはアルボンとサインツを残留させ、アルピーヌもコラピントを2027年のドライバーに決めた。

これによって、トップチームを中心とした大型移籍の可能性は大きく減った。

今後はレッドブルのセカンドシート、レーシングブルズ、アストンマーティン、ハースを中心に、2027年のドライバー市場が動くことになりそうだ。

│まとめ

2026年8月後半、F1ではドライバー契約に関する発表が相次いだ。

ノリスとフェルスタッペンは、それぞれマクラーレンとレッドブルに少なくとも2030年末まで残留する。

ウィリアムズはアルボンとサインツを確保した。

アルピーヌもガスリーとコラピントによる2027年のラインアップを固めた。

一方で、レッドブルのセカンドシート、レーシングブルズの2席、アストンマーティンの2席、ハースの2席はまだ決まっていない。

2027年のドライバー市場は、トップチームの大型移籍よりも、残された中団チームとレッドブル系のシート争いが中心になりそうだ。