F1(フォーミュラ1)は、世界最高峰のモータースポーツである。
一般道を走る車と比べると、速さも構造もまったく別物なのはなんとなくわかるだろう。
だが、「速い」と言われても、実際にどのくらいのスピードなのか想像できない人も多いはず。実際に見たことが無ければ、テレビやSNSでしか見たことがない人もたくさんいるだろう。
そこで今回は、3分程度で読めるF1マシンのスピードを数字と身近な例えで解説しよう。
│ 結論どれくらいスピード出るの?
結論から言うと、F1マシンは直線で時速300kmを大きく超える。
条件がそろえば、時速350kmを超えることもある。
これは一般道を走る車や新幹線を大きく超える速度だ。
参考例として、2016年ヨーロッパGPでは、バルテリ・ボッタスがスリップストリームを使った予選走行中に、最高時速378kmを記録している。
一部のドラッグレース用マシンには及ばないものの、コーナーも走るレースカーとしては驚異的なスピード
比較すると…
高速道路:100km/h(約3.7倍)
東海道新幹線の「のぞみ」:最高285km/h
山陽新幹線区間の「のぞみ」:最高300km/hプロ野球の最速級の投球:約170km/h
F1マシンの直線速度は、その約2倍に達することがある。
豆知識: F1は「速く走るための特化型」ではなく、「止まる・曲がる」も同時に極限まで追求しているため、レースカテゴリーの中でも極めて高い総合性能。
│ F1マシンが交差点を曲がったら?
F1の恐ろしさは直線ではなく曲がる速さも驚異的だ。
例えば、普通の車が交差点を右折するスピードは時速20km~30km前後。
F1マシンは、サーキットのコーナーを100km/h以上で通過することがある。
高速コーナーでは、200km/hを超える速度で曲がることもある。
実例:
カタールGPのターン④(ほぼ90度):時速200km近くで通過
シルバーストン「コプスコーナー」(蛇行したコーナー):時速290km前後
普段の右折の5倍以上の速度だ。
もちろん、サーキットのコーナーは一般道の交差点とは違う。
道幅も、路面も、安全設備もまったく異なる。
それでも、F1マシンが日常では考えられない速度で向きを変えていることは間違いない。
│なぜそんなに速いのか:エンジンパワー
F1マシンには、1.6リッターV6ターボハイブリッドのパワーユニットが使われている。
2026年からは、新しいパワーユニット規則が導入された。
内燃機関だけでなく、電気エネルギーの使い方もこれまで以上に重要になっている。
比較すると次の通りだ。
一般的な自動車:100〜150馬力
スポーツカー:300〜400馬力
F1:900~1,000馬力
さらにハイブリッドシステムが加わり、電気モーターによる加速も使われている。0〜100km/h加速は約2〜3秒の世界である。
街中を走るスポーツカーでも3〜4秒なので、スタートダッシュでもかなり違う。
│なぜそんなに速いのか:軽さと空力
F1マシンは軽量かつ強靭に作られている。
重いものを速く運ぶにはそれなりに力がいるが、軽いものを速く運ぶは容易だろう。
F1は極限まで軽くしている。
2026年のF1マシンは、最低重量が768kgに設定されている。
これはドライバー込みの重量である。軽自動車:約700〜1000kg
F1マシンの車体には、カーボンファイバーなどの軽くて強い素材が使われている。
そしてF1マシンの最大の武器がダウンフォース。
走行中の空気を利用して車体を地面に押し付ける力だ。
ダウンフォースがあることで、タイヤは路面を強くつかみやすくなる。
その結果、F1マシンは高速でも安定して曲がることができる。
ダウンフォースを身近にイメージするなら、走行中の空気が手に当たる感覚を思い浮かべると分かりやすい。
手の平を下にして親指側の角度を少し下にしてみると、手が下向きの力を感じるはずだ。この押し付ける力を応用している。
さらに2026年からは、アクティブエアロが導入されている。
指定された区間では、前後のウイングが低抵抗のストレートモードに切り替わる。
これにより、ストレートでは空気抵抗を減らし、速度を伸ばしやすくなる。
一方、コーナーではダウンフォースを確保するモードに戻る。
つまり2026年のF1は、直線とコーナーで空力の使い方を切り替える時代に入っている。
│F1の速さは数字以上の衝撃
なお、F1ドライバーはコーナリングやブレーキングでは、最大で5G前後の負荷を受けることもある。
これは戦闘機の操縦に近い負荷で、人間の身体能力の限界に近い世界だ。
直線:350km/h超え
コーナー:高速道路を走る速度で曲がる
加速:0〜100km/hを約2.6秒
ブレーキ:時速300km近い速度から、数秒で一気に減速する。
これはエンジンのパワー、軽さ、空力の3要素が完璧に組み合わさった結果。
数字で見ると、F1が単なる「速い車」ではなく「人間が操縦できる範囲での限界に挑むマシン」であることが分かる。
テレビ映像では、その速さが伝わりにくいことがある。
しかし実際にサーキットで見ると、F1マシンのスピードは数字以上の衝撃を持っている。
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