F1は時速300kmを超えるマシンで戦う、究極のモータースポーツ。
華やかな舞台の裏で、ドライバーたちは想像を絶する過酷な環境に身を置いている。
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【F1って本当に速いの?】時速300km越えの世界とは?
そんな中でふと気になるのが、「人間なら誰でも直面するあの問題、ドライバーはどうしているの?」ということ。今回はレース中のトイレ事情から体調不良、くしゃみまで、普段は語られない舞台裏を紹介。
│ ケース①:レース中にトイレに行きたくなったら?
F1マシンの中には当然トイレなんてない。
ドライバーはレース前に必ず済ませるのが大前提ではある。
さらにコックピット内は40度以上と灼熱のサウナで、ドライバーは1レースで2〜3kgも体重が落ちると言われている。汗として大量の水分が体外に出るため、実際にはトイレに行きたいと感じることはほとんどないとのこと。
とはいえ、例外はある。どうしても耐えられなくなった場合、その場で済ませてしまうドライバーもいた。
ミハエル・シューマッハについても、そうしたエピソードが語られることがある。
我慢するか、開き直るか――ドライバーによって対応は分かれる。
│ケース②: 体調不良になったら?
体調不良といえども、レースは待ってくれない。
基本的に多くのドライバーは「走り切る」ことを最優先にします。
ただし近年は安全性を重視する傾向が強く、無理をさせない判断をチームが下すケースも増えている。
だが、歴史を遡ると、車内で吐きながらも完走した例もあると言われている。
日本人ドライバー・片山右京は、体調が優れない状態でもマシンに乗り続けた逸話を持つ。
1992年のメキシコGPでは高熱の中で出走し、最後まで戦った。
レース中に嘔吐をこらえながら走っていたと伝えられている。
1984年のアメリカGPは最高気温38度という過酷な条件で行われた。
このレースでロータスのナイジェル・マンセルは最終ラップにマシントラブルで停止。
マシンを押してゴールを目指したものの、熱中症と疲労の影響で途中で倒れ込んでしまった。
│ケース③:レース中にくしゃみはする?
「300km/hで走りながらくしゃみをしたら危ないのでは?」と思う方もいるでしょう。
実際には、ほとんどのドライバーが「レース中はくしゃみをしない」と証言している。
理由のひとつは集中状態。
心拍数は常に180を超え、アドレナリンが全開の状況では、くしゃみの反射は抑制されやすい状態になると考えられている。
さらにヘルメット内の空気はフィルターを通して循環しているため、
アレルギーのような刺激要因が少ないのも理由のひとつ。
ただし、レース前の練習走行中にくしゃみをした人はいる。
2022年のハンガリーGPのFP1(練習1回目)にてセルジオ・ペレスはストレートで3回くしゃみをした。
「鼻がむずむずする」と無線で訴えるドライバーもいるが、
レース中にくしゃみをするケースは、ほとんどない。
Bless you, Checo! 🤧
— Formula 1 (@F1) July 29, 2022
You don't want to be sneezing while driving an F1 car 🫣#HungarianGP #F1 @SChecoPerez pic.twitter.com/z95t6T7chT
F1ドライバーは、トイレも行けず、体調不良でも走り続け、
くしゃみすらほとんど起きないほどの集中状態に置かれている。
そして、この極限状態は、
実は「なぜ簡単に抜けないのか」というF1特有の現象とも深く関係している。
F1では、ドライバーの技量だけでなく、
マシンの構造や空気の流れがレース展開を大きく左右する。