2026年シーズン、F1は大きく変わった。
その一つが、DRSの廃止だ。
新レギュレーションでは、マシンにアクティブエアロが搭載されている。
ドライコンディションでは、全車が指定された区間で毎周ストレートモードを使用できる。
ストレートモードでは、前後のウイングが低抵抗状態になり、ストレートで速度を伸ばしやすくなる。
ハンガロリンクでは、ターン14からターン1までのメインストレートと、ターン1からターン2までの区間に加えて、ターン3からターン4、ターン11からターン12でもストレートモードを使用できる。
2026年は、合計4か所にストレートモード区間が設定されている。
これによって、ハンガロリンクにある主要な加速区間のほとんどが、低抵抗状態で走れる形になった。
2026年F1レース中の新ルール解説 │ DRS終了とオーバーテイクモードの仕組み
│ストレートモード拡大で変わるハンガロリンク
ハンガロリンクは、全長4.381kmのテクニカルサーキットだ。
短いストレートと連続するコーナーが組み合わされている。
コーナーを正確につなぐ必要があるため、最高速よりもマシンのダウンフォースやリズムが重視されてきた。
2026年は、ターン3からターン4までの区間にストレートモードが追加された。
そのため、ターン2とターン3の立ち上がりがさらに重要になる。
ただし、区間の先にあるターン4は高速の左コーナーだ。
ストレートで速度を伸ばすだけではなく、高速状態から正確にマシンの向きを変える必要がある。
ターン11からターン12までの区間でも、ストレートモードが使える。
ここでもターン11の出口速度が、その先のブレーキングに影響する。
そのため2026年のハンガリーGPでは、ストレートでの速さだけではない。
ストレートモードへ入る直前のコーナーを、どれだけ安定して抜けられるかも重要になる。
│オーバーテイクポイントとエネルギーマネジメント
ハンガロリンクで最大のオーバーテイクポイントは、ターン1である。
ただし、ストレートモードは全車が使える空力システムである。
ストレートモード自体が、後ろのマシンだけを有利にするわけではない。
2026年に追走車を助ける役割を持つのが、オーバーテイクモードである。
追走車は、検出地点で前のマシンから1秒以内にいる場合、次の周回で追加の電気エネルギーを利用できる。
そのため、ターン1への攻防では、ストレートモードによる低抵抗状態に加えて、スリップストリームとオーバーテイクモードをどう生かすかが重要になる。
もう一つのポイントが、電力の回生である。
ハンガロリンクでは、ターン1が最も大きなブレーキングポイントになる。
一方で、ターン1以外には、長い全開区間から強く減速する場所が多くない。
2026年のマシンは、ブレーキングだけではなく、パーシャルスロットルやリフトオフでも電力を回収できる。
必要に応じて、ストレート終盤で全開走行を続けながら回生する「スーパークリッピング」と呼ばれる制御も使われる。
ターン5からターン11までの連続コーナーでは、ラップタイムを失いすぎずに電力を回収できるかがポイントになりそうだ。
ストレートが短いハンガロリンクだからこそ、電力の使い方と回生の効率がレース展開を左右する可能性がある。